たった10分で紅茶ツウに!紅茶を楽しむ10のこと
お茶の歴史は古いのですが、イギリスでアッサム種の紅茶が飲まれたのは19世紀から。紅茶の歴史はまだまだ浅く、紅茶の基本となる10のことを知っていれば今日からあなたも紅茶通です!
紅茶もウーロン茶、緑茶も同じ葉からできている
紅茶も緑茶、ウーロン茶も同じツバキ科の葉っぱから作られています。
発酵の度合いによって緑茶になったり、紅茶になったりします。
不完全発酵
日本人におなじみの緑茶や玉露、前茶は発酵度合いがもっとも低い「不完全発酵」のお茶です。あまり発酵させていないので色も葉っぱの緑色で、渋みと軽い味が特徴です。
弱発酵
茶葉を少しだけ発酵させたお茶になります。白茶は弱発酵によって作られます。
半発酵
茶葉の発酵を途中で止めたのが「半発酵」になります。
ウーロン茶や青茶などは半発酵のお茶です。
完全発酵
時間をかけて茶葉を完全に発酵させたのが紅茶になります。
発酵させることで風味が強くなり、深みのある味になります。
後発酵
酵素によって発酵させる緑茶や紅茶とは違い、微生物によって発酵させたお茶です。プアール茶や、食べるお茶と呼ばれるラペソーなどがあります。
そもそも発酵とは?
乾燥は単純に乾燥させたもので、発酵は微生物や酵素などの力を借りて科学反応させたもの。
紅茶の場合は、葉の汁に含まれる酸化酵素を利用して発酵させています。
チーズやワインも発酵食品で、ワインの渋みとなるタンニンは紅茶にも含まれています。
中国から生まれたお茶の文化
お茶のルーツは中国です。
「茶木(チャノキ)」と言われるカメリア・シネンシスの葉からお茶が作られていました。ツバキ科の植物のため、花も皆様がご存知のツバキの花に似ています。
巨大な木であったカメリア・シネンシスを収穫しやすい低い木に品種改良しているのが現在のチャノキになります。
中国で楽しまれていたお茶は、シルクロードや貿易によって世界に広まっていきます。
さらに19世紀には当時イギリスの植民地であったインドのアッサム地方で、紅茶に最適なアッサム種が発見されます。
茶葉の種類は2種類
紅茶の種類はたくさんありますが、茶葉の種類は大きく分けて「アッサム種」と「中国種」の2種類になります。
アッサム種と中国種を交配させた茶葉もありますが「紅茶はアッサム種と中国種の2種類に分かれる」と覚えていればいいでしょう。
紅茶はこの2種類の茶葉を使って、様々な紅茶が作られています。たとえばアールグレイは中国茶葉です。アッサムティーは文字通りアッサム種の紅茶です。
アッサム種は深く濃い味わい、茶葉の風味も強いのが特徴です。中国種は軽やかな味が特徴です。
「ザ・紅茶」という重いお茶が飲みたい場合は、お店で「アッサム系の紅茶でお薦めは?」などと尋ねるといいでしょう。
逆に軽やかなお茶が楽しみたい場合は「中国種の紅茶で」や「アッサム系以外で」と尋ねるといいでしょう。
紅茶とハーブティーの違い
植物を水(お湯)で煎じるとお茶になります。
紅茶もハーブティーも全てお茶になりますが、紅茶はツバキ科の葉を発酵させたお茶です。
ハーブティーはカモミールやミントのハーブを生の状態・または乾燥させた状態から煎じて入れらたお茶になります。
そもそもの植物の種類や、乾燥・発酵といった製法が異なるため、味や風味も大きく違うんですね。
紅茶に近いお茶で「ルイボスティー」があります。
マメ科の植物「ルイボス」の葉から作られたお茶で、発酵させたルイボスティーは紅茶に近い味わいがありますが、マメ科の植物を発酵させたお茶のため、ルイボスティーは紅茶とは異なります。
お店によっては、ツバキ科の紅茶、中国茶だけを取り扱っていたり、ハーブティーやルイボスティーも取り扱っていたりするので「紅茶とハーブティーって何が違うの?」と疑問に思うかもしれませんが「植物と製法(乾燥・発酵)が違う」と理解すると良いでしょう。
紅茶のフラッシュってなに?
ファッシュとは簡単に言うと「新しい茶葉の芽」のこと。春に茶葉を収穫する時に「ファーストフラッシュ」と言います。「ファーストフラッシュ」と書かれた紅茶は春に収穫された茶葉であることが分かります。
「セカンドフラッシュ」は夏に収穫された茶葉のことで、「サードフラッシュ」「オータムフラッシュ」は秋に収穫された茶葉のことです。
紅茶は収穫された時期によって風味が違うため、紅茶の収穫時期が分かるのはとても大切です。
例えば、ファーストフラッシュのダージリンは、色味も薄く、味も軽く爽やかです。セカンドフラッシュのダージリンは色も風味も深く、ダージリンらしい紅茶を楽しむことができます。
つまり、同じ茶葉のダージリンでも時期によっては味や香りが全く違うわけです。
また、紅茶によってベストなシーズンは違ってきますし、収穫量が少ない時期の茶葉で作られた紅茶は希少価値が高くなったりします。
オレンジペコーって茶葉の部位のこと
紅茶の茶葉の部位には名称があります。
- フラワー・オレンジ・ペコー(FOP):葉が開いてない芽の一番先の芯芽のこと。名前の通り花の匂いがする一番高価な部位になります。
- オレンジ・ペコー(OP):2番目の葉
- ペコー(P):3番目の葉
- ペコー・スーチョン:4番目の葉、ファーストスーチョンとも呼ばれます
- スーチョン:5番目の葉
高級な紅茶は1,2,3の葉だけを使います。新しい葉で香りもよく甘い味がするのが特徴です。またカフェインが多いのも新しい葉の特徴です。
大きく成長した4,5の葉は、カテキンや、血糖値を下げるポリサッカライドが豊富に含まれています。ポリフェノールの一種であるタンニンが豊富なのも特徴です。
一芯二葉、一芯三葉ってなに?
茶葉の1,2,3番目までの葉だけの紅茶を「一芯二葉(いっしんによう)」と言います。1番目のフラワー・オレンジペコー、2番目のオレンジペコーの葉は小さいので、作られる紅茶の量も少ないわけです。つまり贅沢な紅茶ですね。
一芯三葉(いっしんさんよう)は、1、2,3、4番目までの葉だけで作られた紅茶になります。3番目のペコー、4番目のペコー・スーチョンの葉は大きいため、作られる紅茶の量も多くなります。
紅茶の茶葉のかたちが違うのはなぜ?
紅茶によってカットされた茶葉や、粉々の茶葉があります。紅茶の茶葉の状態は3タイプあります。
フルリーフ(ホールリーフ)
カットされていない茶葉をフルリーフ(ホールリーフ)、リーフタイプなどと言います。
味も軽やかで茶葉の香りを楽しむことができます。ストレートで楽しむ紅茶はフルリーフの場合が多いです。
ブロークン
カットした茶葉をブロークンと言います。
茶葉をカットしているので、しっかりとした味が特徴です。ミルクティーでも楽しむことができる紅茶はブロークンが多いです。
ファニングス、ダスト
茶葉をふるいにかけた時にでる細かな茶葉です。
紅茶を入れる時間も短時間で抽出できるため、主にティーバッグに使われます。
紅茶の等級はどう決まる?
紅茶のグレードは「茶葉の部位」と「茶葉の状態」で分類しています。
茶葉の部位とは、オレンジペコーやスーチョンなど。
茶葉の状態とは、フルリーフや、カットしているブロークンなど。
例えば「オレンジペコーのフルリーフ(OP)」や、「オレンジペコーのブロークン(BOP)」などと分類されます。
「最高の紅茶のグレードは?」が気になると思いますが、茶葉の品質やシーズンなどによって違うのですが、あえて言うなら「フルリーフでフラワリー・オレンジ・ペコー」の茶葉が高価になります。
グレードは紅茶を選ぶ時の、目安の一つとして考えると良いでしょう
例えば「しっかりした味で、甘みや香りもある紅茶」を飲みたい場合は、ブロークンで、オレンジペコーやフラワリー・オレンジ・ペコーの紅茶を選ぶと良いでしょう。
「軽いけど渋みがある紅茶」「軽くてカフェインも少ない紅茶」を飲みたい場合はリーフタイプでスーチョンを選ぶと良いでしょう。
とはいえ、紅茶によってはいろいろな茶葉をブレンドしているので、グレードで選ぶのは無理がありますので、グレードについては、紅茶を選ぶ目安のひとつとして考えると良いでしょう。
シルバーチップ、ゴールデンチップ
まだ開いていない新しい葉(芯芽)は、白い産毛に覆われています。
加工後にも産毛が残っている状態の茶葉を「チップ」「ティップ」と言います。
芯芽を産毛が残った状態で発酵させると銀色のチップになり「シルバーチップ」と言います。
シルバーチップに葉汁の酵素で黄金色になったのを「ゴールデンチップ」と言います。
シルバーチップとゴールデンチップは収穫量が少ないため貴重な茶葉のため、このチップが多く含まれる紅茶ほど高価になります。
品名やグレードで「ティッピー」とついている紅茶はチップが多く含まれています。
ゴールデンチップが多く含まれている場合は、品名に「ゴールデン」が付けられている事が多いです。